配信日:2008年08月05日
第217号
問いを発する。
市場が激動化している中で、今、何が課題なのかの、解決しなければならない課題はなになのかの、問いを発することが重要です。
聖書の言葉にも「求めよ、然らば与えられん。尋ねよ、さらば見出さん。門を叩け、さらば開かれん。すべて求むる者は得、たずぬる者は見出し、門を叩く者は開かるるなり。」
「携帯2台目需要喚起するには?」「トヨタの車の値上げにおける販売への影響は、その対策は?」「原材料高騰化における消費者満足度を高めるには?」
皆さんは、今どんな問いを持っていますか。
■『価値の源泉はソフト』
★気づき
アップルの過去12ヶ月の営業利益率は14%台。松下の目標の二倍に近い水準で、研究費は1/7に過ぎない。iPod やiPhoneの部品は汎用品ばかりで製造は台湾の業者に委託するため、多額の設備投資とも無縁だ。6月にiPhoneの価格は500〜600ドルと標準的な携帯電話より5割高い。価格から製造原価を引いたマージン率は50%と業界平均の20%をはるかに上回る。
本当の価値は「使いやすさ」である。独自開発のソフトウエアによって実現した。
アナログ時代の競争力はハードの設計や製造技術に大きく左右された。だがデジタル時代には、機器の性能は誰でも入手可能な汎用半導体で決まるようになった。
付加価値を生み出すには、数値化の難しい「使いやすさ」や「楽しさ」などを左右するソフトの力が重要になる。
ハード偏重経営は価格競争の影響をもろに受ける。ソニー会長のハワード・ストリンガーは就任後、ハード偏重からソフト重視への変換に取り組んだ。「最初にソフトを考え、それからハードを作る。順序を180度変えよう。」
日経産業新聞 2007.1.24
★コメント
モジュール型製品開発は、ソフトが重要な価値を生み出します。使いやすくて楽しいことが必要です。驚き、感動を伴うソフト開発を。
・・・‥‥...............‥・・‥.....................‥‥・・
■『感性のマーケティング−価値を創り出す』
★気づき
感性のマーケティング−価値を創り出す 購入の動機づけに工夫。
お酒の例でいえば、若い人には日本酒を飲まない人が多いが、それは飲む理由がないのだ。そこで「タイの刺身には日本酒」といった購買行動に踏み切る理由、買うべきわけを教えてあげる必要がある。行動をする理由を与えることで、顧客にとって消費する価値が生まれる。
オラクルひと・しくみ研究所代表 小阪裕司氏 日経産業新聞2007.3.26
★コメント
「こと」開発が、生活DELIGHT商品には重要です。「ワンダ・モーニングショット」の提案も「こと」提案です。
・・・‥‥...............‥・・‥.....................‥‥・・
■『チャネルを多様化』
★気づき
量販店やコンビニ向け取引を主力とするハウス食品やカゴメが新販路開拓に動き出した。専門の営業部隊をつくり、人気商品の販売先を居酒屋や病院の売店などに広げている。ハウスは今冬、同社の人気飲料「ウコンの力」の居酒屋向けの本格営業をはじめた。営業マンが飛びこみ的に店舗などを訪問。12月前半に無料サンプルの配布などから入り、宴会がピークになる同月後半にかけて有料販売して、同社は05年、東京、大阪など各支店に新しい取引先開拓を担う「チャネル開発課」を設け、様々な販路への売り込みを始めた。既にウコンの力は居酒屋以外にも高速道路や旅館の売店などにも納入に成功。同商品「顆粒タイプ」を生命保険の女性営業員が客へ配るプレゼント用へ販売した。今年開発した高級チルドカレーや生鮮ハーブの担当者が百貨店との商談にも取り組んでおり、高級品市場への食い込みにも余念がない。
カゴメは、メーカーを通じてパン屋へ自社野菜飲料のサンプルなどを配ってもらう活動を始めている。「植物性乳酸菌ラブレ」は医療施設内売店などに営業している。
家庭用加工食品は量販店とコンビニの取引ロットが大きくなりやすいため、相対的に他販路への営業が弱くなるメーカーが多かった。新販路一つ一つは小粒な相手が多く、営業経費を以下に削減するかという課題は残るが、ビジネスの機会が広がるなどの利点がある。
日経産業新聞 2006.12.28
★コメント
江崎グリコの「オフィスグリコ」が先駆者です。現在、東京、大阪で8万5千ヶ所、売上26億円といわれています。最初は何を考えているのか疑問でしたが、本当は市場の変化の芽をつかんでいたんですね。「オフィスグリコ」は先行的で、上記のチャネル多様化とは考え方が大変異なります。新しい仕組みを作ることが重要です。
・・・‥‥...............‥・・‥.....................‥‥・・
■『日本のご飯のすすめ』
★気づき
「粗食のすすめ」シリーズのヒット。ご飯をしっかり食べる、未精製の穀物と味噌汁と漬け物の基本食に季節の野菜や魚介類を加えた献立、健康は気になるが、禁欲的な自然食は抵抗がある人の共感を集めた、過剰な生活をそぎ落としたい、派手な行事食より普段のご飯。
朝日新聞 2000.1.23
★コメント
インフレ下、コメを核にした新しい日本の食の発信のチャンスです。
・・・‥‥...............‥・・‥.....................‥‥・・
■『証の科学化』
「証」は漢方独特の概念で、最新科学を駆使して証が意味していることを、西洋医学で理解できるよう"翻訳"を目指す研究が進んでいる。
例えば、関節リウマチは西洋医学的には一つの病気・病態だが、漢方医学の見方では全身の血液の流れが滞った「オ血」を中心に、活動力の乏しい「気虚」、体液が偏在証の患者に分かれる。西洋医学を縦糸、漢方を横糸とすると、その交点、つまり西洋医学と漢方が重なる病態ごとの特徴を、たんぱく質を分析してとらえる。遺伝子の作るたんぱく質を標的とし、患者の特性に合った個別医療を狙う。
朝日新聞 2005.1.19
★コメント
部分と全体を融合するアプローチが閉塞感を打破する方法としてクローズアップされてきています。そのためには部分を全体へ、全体を部分に翻訳することが必要になります。この翻訳が難しい。
日本オリエンテーション主宰 松本勝英
◆マイカレンダー 2008年7月15日(火)〜8月1日(金)
15日(火)コンサルティング。効用×ターゲット×場面×場面 で商品コンセプトの開発。開発しようとする商品の明確化。
16日(水)コンサルティング予定延期で、午前中はゆっくり。午後、企業の人が来社。商品コンセプト開発と、事前評価、事後評価をもとにした評価システムについて。
17日(木)18日(金)「商品開発プログラムのたて方36時間」セミナー
商品コンセプト作りと、評価システム、評価方法。17日夜はセミナー参加者懇親会。飲みながらざっくばらんな各社の悩み話。
19日(土)映画を見て、事務所でひと仕事。夜、大塚「こなから」でエンターテイメント企業の友人と快食。日本のエンターテイメントの現状を聞く。仕事の重心が動いていて大変な感じ、しかし大きなチャンスになるかも。
22日(火)商品コンセプト案と戦略との擦り合わせ。夕方企業訪問。開発本部長、マネージャーと商品開発課題の意見交換。夜、7年コンサルティングをしていた元担当事業部長と現在マネージャーと快食。一途な生き方に共感。
23日(水)企業訪問。夜、西麻布「鮨寛」で2社共同開発新商品完成の快食。ブランド力のある企業とモノづくりの強い企業の2社による新商品作り。成功を。私はちょっと2社の縁作りをしました。
25日(金)コンサルティング。業務市場の新規ターゲット開発とマーケティング展開作り。
26日(土)隅田川の花火大会に企業のご招待で。直前で見る花火の迫力の拍手。
28日(月)コンサルティング。コンセプトを消費者にわかりやすく70文字以内で表現。コンセプトテスト方法。
29日(火)企業の商品開発マネージャー来社。強さの本質を消費者にどう理解させるか。午後、新規コンサルティングスタート。市場データ、競合データのWHY分析。終了後プロジェクト立ち上げ快食。
30日(水)企業来社。健康マーケティングの成功ポイントの意見交換。
午後企業来社。真の商品開発とは、の意見交換。終了後、神楽坂「アンジェラ」で快食をしながら話し合い。
31日(木)コンサルティング。セントラルロケーションテスト結果の読みと商品ライン作り。
8月1日(金)企業の方が来者。企業経営、モチベーション、差別化などの意見交換。
4日(月)社内打ち合わせ、マツモト・ミネラルづくり、3日〜4日の「商品開発プログラム36時間」セミナーの準備(いつもやっているのですよ)。社内仕事は疲れます。
土・日一人で映画を見るは、
「ぐるりのこと」橋口亮輔監督、リリー・フランキー、木村多江主演。
日本社会の大きな変化の中で、翻弄される妻の翔子(木村多江)とそれを見守る夫のカナオ(リリー・フランキー)がやさしく見守る夫婦の物語。人は人によって支えられる。リリー・フランキーのキャラクターが後半に輝いてきます。
「カメレオン」
阪本順治監督、藤原竜也主演の、ハートアクション映画。「どついたるねん」を原宿のテント上映で見てから、ずーっと大好きな監督と、蜷川幸雄に見出された藤原竜也主の新コンビがぴったりはまって感激。強い、やさしい、正義、悪に変化する藤原竜也演じる伍郎が生き方の美学。超お勧め。
「白い馬・赤い風船」
「白い馬」1953年「赤い風船」1956年のアルベール・ラモリス監督作品。
心の叙情詩的映画です。昔の映画好きにも、若い映画好きな人にもお勧め。
■■■..............................................................................‥‥・・
■□■「MATSUMOTO・MINERAL」
■■■ 第217号(2008/8/5) (c) 1999Japan Orientation
・‥‥..............................................................................‥‥・・