配信日:2008年08月19日
第218号
夏休みが終わり、猛暑の中の仕事が始まりました。
夏の休暇は、ヨーロッパの人たちのように1ヶ月ぐらいあるといいですね。日頃の疲れを取るだけではなく、自然の中に包まれ、精神をリフレッシュしてこれからのことを考えるには、そのぐらいの期間が必要です。
私はひとり事務所で、日頃できなかった仕事をしたり、本を読んだり、ビールを飲んだり、まあまあ楽しい、そして短い夏休みでした。来年はぜひ1ヶ月ぐらいの夏休みにしたいと思っています。
皆さんはどのような夏休みでしたか。
■『成長の目的』
★気づき
アダム・スミスは、幸福とは心が平静なことであると考える。そして、健康で生活にとって必要最低限の富であって、良心にやましいところがなければ、それ以上の富の増加は、われわれの幸福にとって余計なものであると考える。それにもかかわらず、人間は他人からの同感を得たいという野心と虚栄心から、必要以上の富を求める。しかし、必要以上の富は大きな財産を管理しなくてはならない煩わしさや他人からの嫉妬や避難の原因となることがある。
経済は、幸福に対する人間の幻想によって成長する。
大阪大学教授 堂目卓生氏 日経新聞2007.2.1
★コメント
幸福とは心が平静なこと。お金が人を不幸にする例は多々あります。お金に振り回される生活から、ちょっと距離を置きたいですね。
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■『花王の自前主義の構造』
★気づき
・コアーサイエンス
油脂、界面活性科学、高分子化学、応用物理学
・キーテクノロジー
界面活性、分子設計、構造決定、栄養代謝、組織培養、生理薬理活性、材料物性
・キー・マテリアル
油脂、グリセリン、脂肪酸、アルコール誘導体、スペシャルティーケミカルズ、ポリマーズ
出所不明
★コメント
コアーサイエンス、キーテクノロジー、キー・マテリアルが強いキープロダクトをつくる。他社に負けない固有技術をどう磨くか。固有技術をもとに、これからのアライアンスを組んでいかないと大きな成果は得られない。
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■『戦うプロデューサー重岡さん』
★気づき
映画のプロデューサーとは?一番わかりやすく言うと、一本の映画を作るときに最も長くその製作に携わっている人。
例えば脚本家は、ホンを書き終わったらお役御免だし、監督はホンが完成するあたりから参加する。役者が関わるのは、基本的には撮影の間だけだし。宣伝チームが最も忙しいのは映画が完成してから。プロデューサーだけが、脚本家がホンを書き始める前から、そして映画が公開された後まで、ずっとその作品に関わり続ける。
企画を考えるところから始まって、台本作りにもかなりの意見が反映されている。キャスティングやスタッフの決定といった、撮影開始までの一切を仕切ったのも重岡プロデューサーである。年末にオンエアされたテレビ版の最終チェックも彼女の仕事だった。おそらく世界であの映画を一番沢山見たのは、彼女だろう。
重岡さんは、納得いかないことがあると、ベテランのスタッフに対しても、きちんと意見を言う人。その場さえ揉めなければいいという、事なかれ主義のプロデューサーが多い中、その存在は貴重だ。連日徹夜の作業が続いても、きちんと現場に立ち会う。責任感が強いということは、自分の関わった作品に対して愛が深いということだ。
脚本家 三谷幸喜氏 朝日新聞 2007.1.17
★コメント
全体を見られる有能な商品開発のプロデューサーが求められています。「想い」と「クリエイティブ」と「調整力」が必要です。始めから終わり、そしてその後の売り上げ、利益までを見届けるのがプロデューサーです。
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■『味の記憶解明に新手法』
★気づき
「ヒトが食べ物を深く味わったり他人に伝えたりするとき、脳がどのように働いてるのかを検証するため、食と脳の関係を調べる新しい脳計測の手法を開発。
音楽や映像は記憶再生が容易であるが、味やにおいでは難しい。失われてしまいやすい味の記憶の本質を、脳の研究をもとに解明したい。」
頭に近赤外線を照射して血流の変化を調べ、活発に働いている脳の部位を探り当てる「光トポグラフィー」という装置を利用している。味を覚えるとき、目で見たこと耳で聞いたことを記憶するのと同じように、脳の「前頭前野」が働いていることを解明。
食品メーカーが開発時にモニターを募って製品の味を評価してもらう「官能評価」への応用を目指している。個人によって異なる味覚認知の習熟度を、脳の分析によってランク付けできれば、食品開発を効率化できる可能性がある。
農業・食品産業技術研究機構 食品総合研究所研究員 檀 一平太氏
日経産業新聞 2007.1.25
★コメント
これからの評価系として、脳を含めた生理的な評価系、心理的な評価系、そしてマーケティング視点の評価系の融合が重要になるのでは。
日本オリエンテーションの「評価研究所」で新しい評価システムを研究しています。
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■『冷めぬアンチエイジング熱』
★気づき
出家する前、一国の王子だったお釈迦様は城の外に出たとき、老人を見てがく然とした。若い自分もいずれそうなる。若さは驕りであると悟った。今度は病人に出会い、健康が驕りであると悟った。健康は一時的現象で、いずれ病気になるのだと。最後に死者に出会って、生も驕りであると知る。何をしても人間は必ず老いて死ぬ。
現代の日本では、お金のために働くのが仕事だと、みな思い込んでいる。しかし人間にとって大事なのは老いる仕事、病気になる仕事、死ぬ仕事だ。みなが仕事を持っている。金儲けが仕事だと信じているから老いの美しさ、よさが見えてこないんです。
若さは未熟、粗雑、未完成な状態で、それを過ごして熟していくことに価値がある。老いる過程を楽しめば別の世界が広がるのではないか。
宗教評論家 ひろ さちや氏 日経新聞 2008.5.28
★コメント
ある大学のゼミの懇親会で、若者はバカ者だと叫んだことがありました。非難されると思いましたが、後日よかったですよと学生に言われた経験があります。
若い人から見ても面白いおやじになりたいですね。
だけど"大事なのは老いる仕事、病気になる仕事、死ぬ仕事だ"は、すごい発言ですね。老い方を真剣に考えることにします。
日本オリエンテーション主宰 松本勝英
◆マイカレンダー 2008年8月4日(月)〜8月18日(月)
5日(火)6日(水)「商品開発プログラムのたて方36時間」セミナーの最終日。
ネーミングパッケージングの基本と新しい切り口、新商品導入プラン作りのセオリー、コンセプトからのマーケティングプラン。今回は47人と多数参加なのに、参加者のまとまりがよく、自主的懇親会が開催され、参加しました。
6日夜、社内懇親会で西麻布「鮨寛」へ。
7日(木)客員研究員の人たちと、長時間ミーティング。感覚感性の評価とコンセプト開発。夜は、大塚「こなから」にてみんなで快食ミーティング。
8日(金)研究所マーケティングの打ち合わせ。夜は、企業の社長、若手と、高円寺「さぬきや」でおいしい料理と、おいしいお酒と、おいしいうどんで快食。若手の飛躍を期待。
11日(月)コンサルティング。コンセプト素のテスト結果の分析。やる気の強さが解決の突破口です。その後、健康マーケティングとパッケージの打ち合わせ。
12日(火)企業と生活研究の打ち合わせ。
13日(水)〜17日(日)夏休み。私は今年前半の課題を解決するために、1人で出社。楽しく、静かに仕事。
土・日一人で映画を見るは
「闇の子供たち」重い映画で、見る方のエネルギーが要ります。見に行こうとして2日間ちょっと気が重く、行くことができず、3日目に意を決して見に行きました。
タイの貧しさからくる子供の命、尊厳を無視する世界を縦糸に、人間の矛盾の横糸が折り重なり、重い映画でした。私の好きな阪本順治の傑作です。お勧め。
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■□■「MATSUMOTO・MINERAL」
■■■ 第218号(2008/8/19) (c) 1999Japan Orientation
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