1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

日本オリエンテーションは、マーケティングをR&Dする事務所です。
考えるヒント:メルマガ「マツモトミネラル」

マツモトミネラル第220号

配信日:2008年09月16日

第220号
『「笑顔化」社会の落とし穴』『環境保全 キャラ活躍−女性にアピール』『女性の健康と美の追求』『揺れる思い それが人生』『生身の人間を知る場所−「頑張ればできる」の魔』

リーマンブラザーズの破綻。時代は変わるか?
6390億ドルの総資産を持つリーマンブラザーズが、サブプライムの焦げ付きにより経営破綻。過去の成長要因が衰退要因になる。金融の時代の成長から、金融の時代の衰退へ。時代の大きなターニングポイントになるのでは。
15日(月)が祭日で動けず、16日(火)は新聞の休刊日、そして自民党の総裁選挙。外部の変化のスピードについて行けない国は衰退していく。
グローバル化、情報化など、今までの成長要因が衰退要因に変化する時代もくるかもしれない。

■『「笑顔化」社会の落とし穴』
★気づき
 サービス産業の「笑顔化、丁寧化」が今や一般の人間関係にまで普及している。
友人でも、仕事仲間でも、衝突を避け、和やかな関係を保つことが第一テーマになっている。
 かつて歴史学者の阿部謹也は日本社会を「世間」から分析したが、私は日本で世間はもう解体されて、山本七平の言う「空気」の社会になっていると思う。
その空気は頻繁に変わり、そのたびに排除される人間が変わる。
社会変化についていけず、孤立した末にキレる高齢が増える現状を著書『暴走老人!』に書いている。
作家 藤原智美氏  日経新聞2007.10.17

★コメント
 「空気」の中で過ごすには、笑うかキレるかどちらかになってきている。変な時代です。司馬遼太郎の「峠」の世界とは(いま読み返していますが)何と違った世の中でしょうか。
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■『環境保全 キャラ活躍−女性にアピール』
★気づき
 環境保全 キャラ活躍−女性にアピール
玩具メーカーや版権会社が人気のキャラクターを環境保全活動などに使う事例が相次いでいる。環境問題を身近に感じられ、メッセージを伝えやすいキャラクターの活用は、主な顧客層である子供や若い女性らへの訴求効果が大きい。
ピーターラビットやピングーなどがイメージキャラクターとして採用され、効果をあげている。
日経新聞2007.6.5

★コメント
楽しく理念を伝えることが重要。
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■『女性の健康と美の追求』
★気づき
1. 美と健康の関係、ダイエットは健康なのかの矛盾、脱毛は健康なのか、ウエストがくびれているのが健康なのか
2. 美意識のトレンド傾向。コンプレックス、非コンプレックスの傾向、身体部位(歯、目など)、メリハリのない体系、二の腕など体部位セグメント。
3. 未来の予兆は太りたい?
4. ヒューマンタッチ、サービスは−機器の開発、化粧品開発は
5. 西洋的美と東洋的美、これからの変化の芽は
6. 美と健康のバランス訴求は

★コメント
 健・美・爽がいままでの健康テーマ。次の健康テーマはヒューマンかも。
ヒューマンな健康ソリューション開発、健康の日常化など面白いテーマでは。
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■『揺れる思い それが人生』
★気づき
「小椋佳の9年ぶりオリジナル作「揺れる思い それが人生」
 いまだ成熟には程遠いという心境を描いた表題曲、隠居を決め込みたいと思う反面、まだ自分の可能性を試したいと歌う「もうと言い、まだと思う」、自分が気付かない一面に思いを馳せた「岩漿(マグマ)」。内面を掘り下げた思索的な詩。
「62歳になり、人生の終末を意識せざるを得なくなった。でも人生の到達点を達観できず、迷いあがく自分がいる。それは苦しくもあり、楽しくもある。そんな人生の様々な二面性を実感することが多くなった。それを受け入れ、振り子のように揺れることこそが、人生なんだという思いを託した。」
シンガーソングライター 小椋 佳 氏  読売新聞2006.9.7

★コメント
 今の団塊世代の心境では。揺れながら、新しい発見にチャレンジしたい心境では。
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■『生身の人間を知る場所−「頑張ればできる」の魔』
★気づき
 家族関係が束縛であることが、むしろ現代では救いだ。生身の人間を知ることができる場所が家族だから。
「あらゆる価値の上位に個人の価値を置いているのが今の社会ですね。個人の価値に重きを置くと自分ばかり損している気になり、個人の自由を阻害する身近な存在として家族を感じることが少なくない。その宿命性が私には大切に思える。
もめごとを避け、互いに心の内部が分からない社会に生きている。その不安、孤独を抱えている時代に、プラスもマイナスもいっしょくたに生身の人間を知ることができるのは家族です。
今の日本はもめごとを避けることがほとんどマニュアル化されているから、人々は冷たく切り離されやすい。日本にはキリスト教のような超越的なものがないから、家族を手放したら、もっとみなバラバラになってしまう。」
 努力すれば何でもできる。それぞれの限界を見まいとする人間中心主義も人々を痛めつけている。
 家庭内での親子のあつれき、社会での生きにくさ。山田さんはその大きな原因に「可能性の魔」を挙げる。
「可能性ばかり見すぎている。むしろ自分はどんな限界を持っているかを数え、その上でプラスを見ると、プラスの多さに驚くかもしれない。戦争で焦土と化した国に生まれたかもしれない。食べるのに困らないのはものすごく幸運なことです。」
「人間は万能ではありません。それぞれがバラバラな限界と可能性を持って生きている。もっときめ細かく現実的になりたい。」
作家 山田太一 氏 日経新聞2007.7.12

★コメント
 家族の再構築が求められている。家族としての最少単位としてのペアーのあり方が重要になる。生身のペアー関係をどう創るかが出発点では。
                   
                              日本オリエンテーション主宰 松本勝英

【マイカレンダー】2008年9月2日(火)〜9月15日(月)
3日(水)商品開発大全セミナーへ。2人の講師から「ロングセラーづくり」の話を聞く。
4日(木)10時から17時まで商品開発大全セミナーで講演。「研究所・者のマーケティング」。一流の技術と、一流のマーケティングが出会うと鬼に金棒になるという話。
5日(金)企業の新商品発表会へ。ロングセラー商品を作り、どう育てるかを話し合う。夜は、企業の人と、なじみの大塚「こなからへ」。生ビールをおいしく飲むために、大変だが、お店が終了するとビールのサーバーを毎日きれいに清掃することがポイントだと聞き、ビールを生モノとして扱うことが大事。

8日(月)コンサルティングのご相談で企業の方が来社。
9日(火)コンサルティング。ビジネスモデル、コンサルティング、商品ライン戦略など最終案の煮詰め。夜は、企業の人みんなで、新大久保にサムギョプサルを食しに行く。
10日(水)企業の方が来社。大型商品作りの相談。企業の方とランチミーティング。
表の品質(知覚品質、ブランドなど)と裏の品質(コスト競争力、開発スピードなど)との融合なくして成功なし。

11日(木)商品開発大全セミナー6時間の講演。商品開発サクセス方程式。
戦略×商品×育成×仕組み×ひと作り。最後に想いづくり。
12日(金)商品開発大全セミナーを聞きに行く。味の開発について客員研究員の話。意識して食べ、言葉に表現してみることの重要さと、いざやるとその難しさを感じる。

13(土)・14(日)・15日(月祭日)、大好物「花咲がに」が食べたくなり、根室、釧路へ一人旅に行ってきました。
13日 厚岸で牡蠣料理を食べ(Oさん情報ありがとうございました)、根室の魚屋でうまい料理屋の情報を仕入れ、根室の「俺ん家(おれんち)」へ。早速「花咲がに」1杯、さんまのみそのたたき、さんま塩焼きなどを食べ、地元のおじさんと政治、家族のこれからなど話が弾む。帰りにタクシーで夜の根室をぐるぐる回る。町中はちょっと寂しい。

14日 朝起きて、ちょっとした拍子に腰がグキットして腰痛に。ホテルで湿布薬をもらい、カミさんに電話でなじみのマッサージの人に連絡してもらい、対策を聞く。痛みはあるがそろそろ動けそう。この年になると何が起こるか分からない。これからの一人旅の教訓。
そろそろ動く、痛みをこらえて納沙布岬へ。バスの中で中国人若夫婦と仲良しに。日本で外国の人に会うのも楽しい。
釧路へ。予約してあった釧路湿原ノロッコ号に乗る。中国人多数。帰ってホテルで休養。飲みに行くか迷ったが、そろそろと釧路の飲屋街へ。行きつけの「万年青(おもと)」へ。ツブ貝の刺身、カレイの塩焼き、ジャガバター、ジャガイモのコロッケ。一寸飲む。隣の神戸から来ていたご夫婦と神戸、食べ物の話(銀平の鯛飯はうまい)。ホテルへ。

15日。野付半島へ行くのを繰り上げ、朝一番の飛行機で東京へ。どうにか東京まで保ちました。計画通り行かないのも一人旅の楽しみ。
いろいろあっても楽しい旅でした。皆さんも一人旅をお楽しみください。

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■□■「MATSUMOTO・MINERAL」
■■■ 第220号(2008/9/16) (c) 1999Japan Orientation
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