1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

日本オリエンテーションは、マーケティングをR&Dする事務所です。
考えるヒント:メルマガ「マツモトミネラル」

マツモトミネラル第222号

配信日:2008年10月21日

第222号
『習慣が身に付きにくい社会』『おいしさの「基準」に異変』『予測の時期と完了の時期』『いたわり』『温暖化を考える』

 司馬遼太郎の本を再読、再再読しています。
「竜馬が行く」「花神」「胡蝶の夢」「峠」「菜の花の沖」など。
江戸から明治への変革の中、坂本竜馬、大村益次郎、松本良順、河井継之助を取り巻く人々の物語の中に、いま私たちがどのように生きなければいけないのかが示唆されています。
機会があればぜひご一読を。

■『習慣が身に付きにくい社会』
★気づき
 買い物も外食も24時間OK。そのおかげか就寝も起床も不規則、朝食を抜いたり夜中に食べたり、便利さを追求する現代は「習慣」が身に付きにくい。時間を自分で自由にコントロールできているが、せわしなくなっただけでは。
漫画雑誌や連ドラの低迷は、「習慣」をなくした現代生活のあらわれ。
「鑑賞してますか」 朝日新聞 2006.1.3

★コメント
 毎日、日常、普通が大事では。今回ノーベル賞をとった益川敏英さんは、毎日決まった生活を送っていたようです。学ぶ、考える、習慣は大切です。
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■『おいしさの「基準」に異変』
★気づき
 どんな料理がおいしいかという基準がなくなってきたような感じがする。
皮がパリッとしている春巻きより、「べたべた」のほうが「コンビニの春巻きのようでおいしい」。冷凍食品の魚フライでも「衣がカラットしている」よりも、「衣がやわらかい方が好き」との答えが多い。
「やわらかい」「甘い」「本来の香り、風味がない」の方が好まれる傾向。
東京ガス都市生活研究所「生活レシピ2002」

★コメント
 コンビニ味覚。アメリカ味覚。人口味覚。マス味覚。
味覚は文化である。食文化が解体されてきているのか。うまみなどの本来の味は再復活するのか。あなたはどう思いますか。
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■『予測の時期と完了の時期』
★気づき
 心理学で報酬に関連した行動の時間的流れを、「予測の時期」と「完了の時期」とに分けている。食を求める行動は「予期の時期」で、可変的、準備的である。
それに対して食物を手に入れた後の行動は食べて、飲み込むことで「完了の時期」で、固定的、機械的である。
「人はなぜハマるのか」廣中直行(岩波科学ライブラリー)

★コメント
 食を求める、「予測の時期」が充実してこないと、「完了の時期」も充実してこないのでは。買う楽しさ、作る楽しさが重要では。
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■『いたわり』
★気づき
 野菜や果物配合肌にやさしく
野菜や果物などの天然成分を配合したせっけんやシャンプー、化粧品などが人気になっている。小豆やリンゴ、ニンジンといった食物が本来持つ抗菌作用や保湿効果などに着目した商品だ。値段は普通の商品に比べ少々高めだが、科学合成物質を敬遠する女性層の注目を集めている。
「一人暮らしの独身女性が増えているが、彼女らは独自の価値観で奥深い消費行動を取る傾向がある。経済的余裕もあり、多少値段は高くとも「自分のためだけに使えるなら」とちょっとしたぜいたくができる。よく分からない化学物質よりも、出所のはっきりした、自然により近い製品の方が安心感が強いのだろう」
山本貴代(博報堂生活総合研究所 主任研究員) 日経新聞2001.8.29

★コメント
 自然力は、身体親和性、精神親和性が高いのでは。説明はできないが、何かこれいいなと思ってしまうのは親和力ではないか。人間親和性がこれからの大きなテーマでは。
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■『温暖化を考える』
★気づき
 最適な明るさは「人間の声帯のリズムでは、午前中は千五百〜二千ルックス程度の高い照度を欲する。それが昼が過ぎると快適に感じる照度は下がり、夕方には二百ルックスぐらいになる。夜は街灯の下でも一ルックスなので家の中は二十〜五十ルックスあれば十分。」
「エネルギー消費の削減要求は日本人が本来持っていた豊かなライフスタイルへ回帰するよい機会だと思う。体のリズムや四季を感じる生物としての感性を取り戻すきっかけになる。」
「夏にスイカやかき氷を食べるときは冷房が効きすぎているより、汗をかきながらの方がおいしい。味覚のためにエアコンの温度設定を屋外に近づけるのは本来の豊かな生活になる」
「禅スタイルなどが世界的に大流行している。例えば畳や布団などの天然素材を使ったシンプルなものが先進国で先端的デザインと考えられている。」
照明デザイナー石井幹子 日経新聞2005.3.7

★コメント
 感性は省エネである。豊かな人間生活の復活が、温暖化対策である。
悠々ライフの提唱であり、自然との共生ライフの提唱でもあります。
                   
                              日本オリエンテーション主宰 松本勝英

【マイカレンダー】2008年10月7日(火)〜10月20日(月)
10月7日(火)コンサルティング打ち合わせ。評価システムの構築。午後企業訪問、おもしろい→便利が成功するポイントなどの話。帰りにビールメーカーの人と吉祥寺でおいしいビールを楽しむ。
9日(木)コンサルティング。コンセプトテストの分析とコンセプトのブラッシュアップ。

10日(金)企業トップを含めた新規コンサルティングの打ち合わせ。トップの事業に対する想いの強さを感じました。
午後、コンサルティング。気づきから本質へ、そして変化の芽を引き抜く。夜、懇親会。

11日(土)12日(日)13日(月)14日(火)企業の人と2人で長崎へ2人旅。
坂本竜馬の世界を訪ねる。司馬遼太郎の世界を深く味わいました。
14日(火)早朝の飛行機で事務所に。社内教育2社のテキスト作り。
夜、友人が来社。これからの映画、テレビ、メディアの話。

15日(水)コンサルティング。調査結果からマーケティングの切り口開発。
データを読む構えが大切です。
16日(木)健康マーケティングの打ち合わせ。夜、大塚「こなから」でビールメーカーの人などと、「こなから」の泡のきめ細かいビールの味を楽しむ。

17日(金)社内教育で長岡へ。企画・開発・営業の人たちに「魅力商品開発」の話を。小嶋屋のへぎ蕎麦と、米八の鮨を堪能。
18日(土)長岡藩家老河井継之助を訪ねて、長岡を歩く。記念館では2時間ほど説明の人と熱論。帰りは、新潟「まつい」で快食。

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■□■「MATSUMOTO・MINERAL」
■■■ 第222号(2008/10/21) (c) 1999Japan Orientation
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