1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

日本オリエンテーションは、マーケティングをR&Dする事務所です。
考えるヒント:メルマガ「マツモト・商品開発ミネラル」

【マツモト・商品開発ミネラル】第270号

配信日:2010年10月5日

10月5日(火)
押し掛けディスカッションを楽しんでいます。事務所にお出でいただいたり、企業を訪ねたりして、新商品開発、マーケティングの課題を話し合っています。話し合うことによってお互いが触発され、いろいろなアイディアが創発されています。興味ある方はご連絡ください。
ツイッターもご覧ください。1日数回つぶやいています。 http://twitter.com/katsu1970

■『次世代のリーダー』
★気づき
 第1は柔軟性 モデルにしているのはレオナルドダビンチ。
軍事技師としてトレ−ニングを受け、同時に色彩、光、幾何学、解剖学などを学び、数多くの分野を融合した名画「モナ・リザ」を生み出した。ゼリーを思い浮かべてほしい。四角の器に入れれば四角になり、丸い器に移し直せば丸くなる。プルプル震えるかもしれないが味は変わらずに美味しい。知的柔軟性とはそういうものだ。
第2は批判的精神 常に「なぜ?」と考える。
第3は世界的視野 例えば中国。いまは元気だが、100年後も成長を続けているだろうか。一つの国を理解するには横軸で政治や経済、社会、地政学、文化、風習を。縦軸では歴史を踏まえなければ。中国の一人っ子政策、将来の高齢者を支える若者の数が足りなくなる。インドは人口の半分近くが25歳未満。中国では18歳から25歳までの男性の7割が喫煙者。これも未来を予測するにあたり無視出来ない。
4つ目の条件は「インベンション(発明)をイノベーション(革新)に繋げる力」
ヒトゲノムを解読し、一人一人のDNA配列を打ち出せるようになったとする。オーダーメイド医療が可能になり、出入国審査の本人確認の安全性が高まる。一つの発明が次々とビジネスにつながって行くことをイノベーションと呼ぶ。イノベーションは自由で開かれた社会で生まれる。
ジョンズ・ホプキンス大経営大学院院長 ヤシュ・グプタ氏
日経新聞 2010.4.3

★コメント
 グローバルな時代のリーダーの条件。いろいろな経験が柔軟性を生み出す。多面的に見られることが重要。WHY,WHY,WHYで本質を見つける。歴史的視点も重要、今起こっていることが将来どのように影響するかの洞察。イノベーションの連鎖を生み出せる人。
・・・‥‥...............‥・・‥.....................‥‥・・

■『ミツマタ思考のススメ』
★気づき
 ミツマタ思考のススメ 0か1、勝ち組・負け組などのフタマタの発想ではなくミツマタの発想を。「勝ち組ではないが負け組でもない」「勝ち組でありつつ負け組でもある」のような第3の選択肢を常に用意する思考法が本当は生産的なのでは。
小池光(歌人) 読売新聞 2006.3.17

★コメント
 0、1では測れないグラデーションにチャンスがあるのでは。グラデーションを発見しよう。飲み食べ食品。食べ飲み食品は?
・・・‥‥...............‥・・‥.....................‥‥・・

■『心をのぞく』
★気づき
 01年9月11日。同時多発テロに襲われたニューヨークで、人々は「ペインフル(痛い)」と口にしていた。「心が痛い」と感じる時、脳の中では何が起こっているのだろうか。脳で血流が増えている場所が見つかれば、そこが活動領域だ。機能的磁気共鳴断層撮影(f-MRI)なら、脳を傷つけずに脳全体の活動領域を調べられる。生理研究所の柿木隆介教授は被験者に注射などの痛みを連想させる写真を見せてみた。「これほどはっきり出るとは思いませんでした。心が痛い時は本当に痛いんです。」写真を見せただけなのに、脳では実際に針を刺すような物理的な痛みを与えた時とほぼ同じ領域が活動していた。その人にしかわからないことを、外から読み取れる可能性がある。他人の主観的な世界に迫り得る。
朝日新聞 2008.4.7

★コメント
 主観的な感覚が可視化されてくると、どのようなことが起きてくるのか興味があります。心の痛み、孤独、不安も可視化され、解消策も生まれてくるのか。
・・・‥‥...............‥・・‥.....................‥‥・・

■『幸福の穀物』
★気づき
 幸福の穀物、さつまいも。サツマイモはジャガイモの繊維量の2倍。寝たきりになると排便の力が衰え、浣腸や下剤に頼らざるを得ない。その時にお通じがよくなるサツマイモを。肥料をあまり与えなくてもよく育つ。しかも収穫量は同じ面積で、重さにすると米の5倍前後。燃料用アルコールや、生分解プラスチックの原料になる。世界の トヨタが千葉大学と共同研究用の栽培施設を開設。
さつまいもシンデレラ物語 読売新聞 2006.1.27

★コメント
 高齢化時代の幸せな穀物。これからは豆、穀物がクローズアップされてくるのでは。
・・・‥‥...............‥・・‥.....................‥‥・・

■『日本の活路2010年危機の先へ』
★気づき
 BOP市場(途上国の経済的貧困層市場)でのイノベーション
例えばインドでは、白内障の手術が米国の10分の1程度のコストで、しかも最高の技術で出来る。可能なのは、段取りと誰が手術するかの2つにポイントがある。段取りの前工程と後工程は、非営利組織の援助で行う『アイキャンプ』という方式で、トラックで訪れては検眼し、目を見て、程度によって来院の日時を指定する。その結果、1日20人程度の手術が出来る。しかも、それはハーバード大学医学部などの若い医者が行う。彼らがインドに来るのは、手術の回数を重ねるというキャリアが欲しいからだ。支払えるコストで最高の医療サービスを提供する。
今後の中国経済のダイナミズムの中心は、広東の『珠江(しゅこう)デルタ』。トップレベルの港湾・空港を持ち、地政学的に見てもアジア情報ネットワークの拠点である。
東京の再評価。東京は『多様な技術・文化変換装置』としての優位性を持つ。世界のあらゆるハード・ソフトの技術と文化を吸収し、修正し、複製を越えて再創造し、何か違うものに変換して再び世界に戻す能力に掛けては、東京にかなう都市はない。この技術・文化の変換は街の熟練工や職人、または『オタク』と呼ばれる若者、そして高齢者などの多様で雑多な能力に支えられる。日本の真の底力の奥に存在する京都・奈良に『歴史に培われた本物』があるという自信を取り戻すべきである。引き算の文化の再生。
今井賢一 オックスフォード大学名誉シニアフェロー
日経新聞 2010.1.4

★コメント
 BOP市場(途上国の経済的貧困層市場)が魅力市場になってきた。BOP市場でのイノベーションを考える。現場からのイノベーションである。日本文化の独創をどう磨くかも大きなテーマ。

日本オリエンテーション主宰 まつもとかつひで

■■■.......................................................................................‥‥・・
■□■「MATSUMOTO・MINERAL」
■■■ 第270号(2010/10/5) (c) 1999Japan Orientation
・‥‥.......................................................................................‥‥・・

前のミネラル 次のミネラル