1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

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考えるヒント:メルマガ「マツモト・新商品開発ミネラル」

【マツモト・新商品開発ミネラル】第294号

配信日:2011年9月6日

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・■■■        商品開発・マーケティングの
・■□■   MATSUMOTO・新商品開発MINERAL
・■■■     発行者:日本オリエンテーション 松本勝英
        毎月第1・第3火曜日発行(創刊 1999/10/01)
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    ■□ 第294号 Table of Contents □■
      ◇マツモト・新商品開発ミネラル
      『予期せぬ「ショック」の効用』
      『「減築」中』
      『マルチチュード』
      『アシミレーション』
      『国民国家という枠組みへの直感的懐疑』

◇伝言
第113回「商品開発プログラムのたて方36時間」セミナー
10月13日(木)スタートです。
<顧客創造型新商品開発>をめざす"これから"の新・商品開発セミナー
商品開発を実践的に、深く学ぶ『場』です。
第12回「商品開発車座塾」
11月4日(金)5日(土)
会津若松の歴史と、独特の空間の『場』の力を借りて、参加者の皆さんのマーケティング叡智を解き放つ『場』です。
テーマは、「時代の変化を引き抜き、需要を創造する」。
業界の垣根を越えた「学び合い」の『場』で思考体力をつけ、これからの時代の変化の芽を感じ取る2日間のディスカッションをしませんか。
◆「行こうよ」ボクシング大好きな、まつもとからのお誘いです。
ボクシングを見に行きませんか。肉体を鍛え、スキルを磨いた男のファイトです。
メインイベント:日本ライト級王座決定戦
        日本ライト級1位加藤善孝VS同級2位稲垣隆
日時:10月4日(火)第1試合18:00 メインは19時過ぎです。
会場:後楽園ホール
チケット:7,000円

9月6日(火)
紀伊半島の甚大な大雨被害。人の命が失われ、現在の家庭と家族の歴史が失われる。大変悲しいことです。お見舞い申し上げます。
9月17日から24日まで、念願のブータンに行ってきます。ヒマラヤ山脈に囲まれた、チベット仏教の小王国。国民総幸福度(GNH)を実践している国です。国民の97%が幸せだと答えているそうです。「豊かさ」から「幸せ」のマーケティングを提唱しているまつもととしては、ぜひ、いろいろな方々の考え、生活を現場で聞き、見てきたいと思っています。

■『予期せぬ「ショック」の効用』
★気づき
 安全保障政策の立案のために、ペンタゴンなどで行われる長期シナリオ研究の現場では、最近「トレンズ&ショックス」という手法が使われているという。従来のシナリオプランニングでは、人口動態や経済成長など、「トレンド」の検討が中心だった。しかし、実際の世の中は、現状の延長線上で動くものではない。むしろある日突然生じる「ショック」により、不連続な変化が繰り返されるものだ。従って中長期の安保政策を考慮する場合には、トレンドの研究と同時に、将来起こりうるショックの予防や、起きた後の対応の検討が必要になる。要するに「9.11」米同時テロ事件の教訓が、関係者の脳裏に深く刻み込まれているのだろう。
日経新聞2008.7.9

★コメント
 「想定外」を「想定内」にする。『ブラックスワン』でも述べられているように、意図的に「想定外」が作られている。「想定外」が普通になってき、複雑系の経営、マーケティングが重要になってくる。
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■『「減築」中』
★気づき
 豊かになるために壊す 膨らんだ街「減築」中。5階建てのマンションの4,5階を切り取り、3階建てにする。並んだ3棟のうち真ん中を壊し、緑地にする。ポツンと残された家屋を移築して、一帯を森に返す。増築に対して「減築」「衰退シナリオ」の開発 日本でも地方の郊外からの撤退を地方から模索する。コンパクトシティ構想。
朝日新聞2006.1.13

★コメント
 拡大、拡張、増大、増加こそが進歩であり発展であるという理念に対して、縮小、減少、撤退という概念。日本人は、隠居、盆栽、俳句、茶室など、縮小、撤退を追求した数少ない民族である。
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■『マルチチュード』
★気づき
 「マルチチュード」 ただの群衆ではなく、グローバルの世界に登場した多様な人間の集合体。今マルチチュードが至る所に拡散している状況にある。人類は新しい「共の時代」を迎えている。知識や情報やコミュニケーションの重要性が増し、アイディアやイメージの生産、人間の安心感や幸福感を作り出す「共の労働」が物質的労働に変わって世界を動かす世界。その担い手が、マルチチュードなのだ。
21世紀論 朝日新聞編集委員 清水克雄
朝日新聞2006.2.15

★コメント
 マルチチュード(Multitude)は、ラテン語で"多数""民衆"などの意味を持つ概念。いまのグローバルの動きは、「共」の概念とはほど遠い、エゴの世界。「共」がないとグローバルは成り立たないのでは。
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■『アシミレーション』
★気づき
 アシミレーションとは、マネージャー着任後1ヶ月以内に、マネージャー自己紹介、退席、マネージャーについて知りたいこと、望み、部署の課題などをメンバーがリスト化、その後マネージャーがひとつひとつ質問に答える。異なる意見を聞くことが重要。本音の理解が進む。

★コメント
 GEが開発した、マネージャーとメンバーとが一体になるプロセス。早くチームが一体になる方法として有効では。
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■『国民国家という枠組みへの直感的懐疑』
★気づき
 近年の低投票率は「政治への無関心」「政治不信」ではなく、国民国家という枠組みへの直感的懐疑だろう。「国家という単位が効果的な機能を発揮しうる時代」の終わりを有権者が実感し始めたという点で、実体は深刻である。こうした実感が生まれてきた背景は冷戦という枠組みが消えた後に加速された自由主義経済の膨張やグローバル化がある。グローバル化には、主権国家という近代以降の基本的枠組みを溶かしてしまう傾向がある。たとえば「国境を越えた開かれた経済・金融体制」が広がる中、それぞれの国家が独力で自国経済をコントロールできない事情があらわになってきている。今や国も未来の予測をたてられず、国民に将来の生活像を示すことが出来ずにいる。世界的な規模で広がった経済格差や民族問題に対しても、国はおおむね無力である。
作家 高村薫 朝日新聞2004.6.18

★コメント
 作家高村薫の指摘はいつも鋭い。いまの世界経済を見ていると如実に感じる。国際経済会議の国数を増やしていっても解決が難しい問題では。ジャック・アタ リの言う「超民主主義の時代」、トランスヒューマン(愛他主義経済)、共通資 本などの概念が台頭してくるのでは。
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◆土日朝一番の映画
「ゴーストライター」ロマン・ポランスキー監督
ロマン・ポランスキーのミステリーとして期待して見に行きました。陰謀、陰謀、陰謀が渦巻く世界。暗い島の風景と音楽が陰謀を象徴していた。後半の緊張感と最後のどんでん返しがよかった。

日本オリエンテーション主宰 まつもとかつひで

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■□■「MATSUMOTO・MINERAL」
■■■ 第294号(2011/9/6) (c) 1999Japan Orientation
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