1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

日本オリエンテーションは、マーケティングをR&Dする事務所です。
考えるヒント:メルマガ「マツモト・新商品開発ミネラル」

【マツモト・新商品開発ミネラル】第295号

配信日:2011年9月20日

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・■■■        商品開発・マーケティングの
・■□■   MATSUMOTO・新商品開発MINERAL
・■■■     発行者:日本オリエンテーション 松本勝英
        毎月第1・第3火曜日発行(創刊 1999/10/01)
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    ■□ 第295号 Table of Contents □■
      ◇マツモト・新商品開発ミネラル
      『文明史の視点によるグローバル化の正体』
      『デジタルな世界では』
      『ドアノブ一つにも浸み込む「生活」』
      『いまだない達成感。喜びって来るのかな?』
      『人の母子は「目と目」が基本』

◇伝言
第113回「商品開発プログラムのたて方36時間」セミナー
10月13日(木)スタートです。
<顧客創造型新商品開発>をめざす"これから"の新・商品開発セミナー
商品開発を実践的に、深く学ぶ『場』です。
第12回「商品開発車座塾」
11月4日(金)5日(土)
会津若松の歴史と、独特の空間の『場』の力を借りて、参加者の皆さんのマーケティング叡智を解き放つ『場』です。
テーマは、「時代の変化を引き抜き、需要を創造する」。
業界の垣根を越えた「学び合い」の『場』で思考体力をつけ、これからの時代の変化の芽を感じ取る2日間のディスカッションをしませんか。

9月20日(火)
ブータンに来ています。 20日は、ブータンの最初に作られた城壁「シムトカ・ゾン」。天気がよければ、標高3,151mの峠『ドチュ・ラ』から、遠くにヒマラヤ山脈を望んでいるはずです。天気予報は雨なのでちょっと心配。その後はブータンの田園地帯をハイキング。地元の人たちといろいろ話ができるのを楽しみにしています。

■『文明史の視点によるグローバル化の正体』
★気づき
グローバル化は必然?それとも時代ごとに人々が選択した結果?
「グローバル化は必然、というのが私の考えです。人類が二足歩行を始め、道具を使えるようになり、自然に関与する技術を手にしたときから、その流れが続いてきました。農業・工業の発展によって人類は地上に広がっていく。地球社会を覆っていくという意味でも、必然ですね」
その流れの中で、我々は今、どういう段階にいるのでしょう。
「人類が長い歴史の中で地球を(共通のものとして)発見した、そういう段階といえます。このままでは地球の環境がもたないと、地球についての認識が人類的な規模で行われた。これは大きい」
「グローバル化とは、(いろいろなものをつないで)『一つにしていく』という運動です。市場も様々な基準も『世界標準』に向けて収斂していく。他方、『多様であること』も大切だと考えられるようになりました。グローバル化が進めば進むほど、自分たちの個性を大切にしよう、文化や風土や伝統を大切にしよう、と」
一体化と多様性の二つの流れは両立しますか?
「もちろん。一体化した全体は、多様なものから成り立っています。グローバル化にとって多様性こそが本質なのです。なぜなら、多様性は地球が数十億かけて作ってきたものだからです。森にも海にも多種多様の生命がいる。多様性こそが地球のアイデンティティー(存在意義)です。そのことを我々は認識するようになった」
静岡文化芸術大学長 川勝平太氏
朝日新聞2008.3.24

★コメント
 多様性がグローバル化のベースです。日本人、文化のアイデンティティーを深めていくことが必要です。例えば、日本人の美意識としての、「暗示」「簡素」「不均整」「無常」などを大事にしていかなければ。日本独創があってグローバルです。
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■『デジタルな世界では』
★気づき
 デジタルな世界では、欲望が際限なく膨れ上がっていきやすい。本来、生命体としての人間の欲望はアナログで、量が増えればどこかで飽和状態に達し、抑制されるものでした。それが、デジタルになると、ゼロが1つでも2つでも、単に記号だから同じ感覚になってしまう。それが過当競争を後押しする原因。急にモラルが崩壊した原因もデジタル化と関係があるかもしれない。
西垣通氏 東京大学教授
朝日新聞2006.1.1

★コメント
 日本の文化には「足るを知る」という文化がありました。欲望のデジタル化によって忘れられつつあります。もう一度環境問題からも「足るを知る」を考えなければ。
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■『ドアノブ一つにも浸み込む「生活」』
★気づき
 デザインは視覚に訴えるもの、というのが一般的な理解です。たとえば、かっこいいとか、かわいいとか、色がきれいとか。それは確かにデザインの大きな部分を占めています。一方で、人はあるものを使うときに、そのもののことをほとんど考えていないと思うのです。たとえば両手が荷物でふさがっていたら、肘でドアノブを下げたりします。角ばったドアノブは、手にいたくないようにそっと握ったりもします。そんなときでも、ドアノブ自体がどんな形なのかを意識していないのです。人間の行為って、考えていないとき、つまり意識していないときが最も自然で、周りの環境やものと調和しているのではないでしょうか。僕は、使い始めたら、デザインを行為や環境に溶かしてしまいたいのです。
工業デザイナー 深澤直人氏
朝日新聞2008.1.8

★コメント
 認知心理学の重要性では。D.A.ノーマンは認知心理とデザイに対していろいろ提言をしています。「誰のためのデザイン?」「エモーショナル・デザイン」など示唆に富んでいます。
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■『いまだない達成感。喜びって来るのかな?』
★気づき
 「向上心がない人っていうのは、絶対向上できないじゃないですか。だから何かを成し遂げたとしても、それが達成感みたいなものになったことはなかった気がする。それ以上のものを求めるためにはどうしたらいいか。その思考回路は野球を辞めるまで変わらないかもしれない。まだまだいけるんじゃないかなと、その可能性を信じている。実際出来ると思っているし、ごくごく当たり前のこと」
NYヤンキース #55松井秀喜選手
日経新聞2006.6.27

★コメント
 プロって大変。小さな達成感を積み重ねることが、次の目標に向かっていけるのでは。
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■『人の母子は「目と目」が基本』
★気づき
 人間に特徴的な姿勢、それは「あおむけ」です。人間の赤ん坊だけが、あおむけの姿勢で落ち着いていられます。サルの仲間の特徴として、子どもは母親にしがみつき、母親は子どもを抱いています。人間の赤ん坊があおむけでも安定していられるのは、生まれながらにして、母親から離れて置かれるのが人間の本性だからです。あおむけの姿勢で、親が赤ん坊の顔をのぞきこみます。目と目が合い、にっこりと微笑み合う。親が手を振り、子どもが手足を動かす。互いに声を交わす。それが人間特有の親子関係であり、コミュニケーションの始まりです。
京大霊長類研究所 松沢哲郎氏
朝日新聞2008.1.26

★コメント
 目と目が交わりを作っているのだ。優しい目、ほほ笑みの目が人間の関係をよりよくしていくのでは。目力も大切ですね。
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◆土日朝一番の映画
「ハンナ」ジョー・ライト監督 シアーシャ・ローナン主演
ストーリーが間延びしているし、アクションも迫力なし。シアーシャ・ローナンに期待して見に行ったのだがカラ振りでした。

日本オリエンテーション主宰 まつもとかつひで

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■□■「MATSUMOTO・MINERAL」
■■■ 第295号(2011/9/20) (c) 1999Japan Orientation
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