配信日:2016年10月25日
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・■■■ 商品開発・マーケティングの
・■□■ MATSUMOTO・新商品開発MINERAL
・■■■ 発行者:日本オリエンテーション 松本勝英
毎月第1・第3火曜日発行(創刊 1999/10/01)
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■□ 第405号 Table of Contents □■
◇マツモト・商品開発ミネラル
『オープン・カスタマイゼーション』
『他人の行動を観察するピア観察』
『「文庫X」もう読んだ? 書名や著者名隠して販売』
『日本でも「再生可能エネルギー100%」』
『人工知能の光と影(下)「人間の脳を超越」あり得ず』
<伝言>
◆第138回「新・商品開発プログラムのたて方36時間」セミナー
12月15日スタート
“なぜ30年以上、企業から支えられているのか”
☆36時間セミナーで、36の成功の秘訣が深く学べるセミナー
☆40年のコンサルティングの成功、そして失敗のエキスです。
☆30年企業のリピーターによって支えられ、続けて来られたセミナーです。
☆商品開発の厳しさ、楽しさが実感でき、成長を促すセミナーです。
◆商品開発カウンセリング−新しい風を吹かせる「場」です
◆商品開発社内教育−発想刺激の「場」です
2016年10月25日(火)
今、こんなことをやってみたいと思っています。
日本でやりたいことは、企業の商品開発・マーケティングの役員経験者と現在役員で、おもしろい実績をあげた先輩と、先輩たちから学びたいと思っている30代若手たちとの交流の場を作りたいと思っています。経験と悩みの交流の『場』です。
もう一つは、異業種の企業同士の練習試合をしたいと考えています。食品メーカーと化粧品メーカー、酒類メーカーとおもちゃメーカー、文具メーカーと車メーカーなどが数人ずつ集まり、商品企画・開発の考え方、方法などを開示して、いろいろディスカッションをする『場』です。触発の『場』にしたいと思っています。
ベトナムでやりたいことは、わたしのコンサルティング経験、『商品開発プログラムのたて方36時間セミナー』をベトナムに移行させたいと考えています。学んで、コンサルタントの仕事をしたいという有志が出てきたので、その人たちへのネタ本を開発しています。ホーチミン、ハノイ、ダナンでのマーケティング塾、起業塾も進化させて行きたいと考えています。
70歳を過ぎると、自分が経験したことを若手、新興国へ伝えていけることはうれしいことです。
■『オープン・カスタマイゼーション』
★気づき
消費者の現場がますます個別化、多様化する中で、個々人の異なる趣味、嗜好に合わせて、一品一品異なる高付加価値の製品を提供する手法を、マスカスタマイゼーションと呼ぶ。ドイツ政府が提唱するインダストリー4.0の中核となっている概念だ。
この概念をさらにサービスに展開すると、たとえ製品は一品一品違わなくても、サービスあるいは消費の現場で、IoTによりソフトウエアやデータを更新し、その場にあった「コト」を提供する仕組みとなる。これをオープン・カスタマイゼーションという。
オープン・カスタマイゼーションでは、製品の販売後に個別化するため、製品がIoTに、よりつながっている必要がある。ただし、つながる先はメーカーの場合もあるが、第三者としてサービスを提供する企業である可能性が高い。こうした企業は消費者の側に立ち、複数のメーカーから中立的な立場でそれぞれのサービスを提供する。つまりサービスの現場では、多様な企業で構成されるオープンなネットワークによるエコシステム(産業生態系)の中で個別性、多様性が実現される。
西岡靖之 法政大学教授 62年生まれ 東京大博士(工学)。専門は情報マネジメントデザイン
日本経済新聞2016.9.26
★コメント
大量生産との決別になるのかも。大企業から中小企業へ、ハードから知恵のソフトに、大量生産に対してオーダー生産システムになる。既に、IoT化されているスマートフォンと同様に、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコンなどでもネットへの接続を前提とした製品では、課金システムさえ確立されれば、こうしたサービス主体のビジネスモデルが主流となる。製品を単体で販売するビジネスモデルは徐々に下火になっていくことは容易に想像できると西岡教授は述べている。
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■『他人の行動を観察するピア観察』
★気づき
「他の顧客の行動を観察すること」は、非常に当たり前の行為であるだけでなく、ブランドに対する消費者の見方を形成する上で著しく重要だったのである。その影響力は、携帯電話機とソフトドリンクの場合にはクチコミに匹敵する。またハイテク製品と電気製品の場合には、クチコミを上回っていた。総合的な結果として、この「ピア観察(peer observation)」は、企業が莫大な金額を費やしているブランド広告と肩を並べるほど影響力が大きかった。
選択肢が多数あると、「他の人が使っている製品なら、きっとよいものなのだろう」と決め込み、吟味する手間を省いてしまうのだ。
ヒュー・N・ウィルソン、エマ・K・マクドナルド、シェーン・バクセンデール
ハーバードビジネスレビュー2016.2.18
★コメント
ピアpeerとは、IT用語で、現在接続している相手のコンピューターや通信機器などをさす言葉で、周りの人が気になる行動、言葉が、大きな影響を与えることが立証された。口コミの中で、周りの人にとって気になる行動、言葉を入れることによって興味を持たせ、購入に結びつけることができるのでは。
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■『「文庫X」もう読んだ? 書名や著者名隠して販売』
★気づき
7月下旬、JR盛岡駅の駅ビルにある、さわや書店フェザン店。店員の長江貴士さん(33)は、ある文庫本の売り方を思案した末、表紙を客への手書きメッセージで覆って店頭に並べた。
メッセージは「申し訳ありません。僕はこの本をどう勧めたらいいか分かりませんでした」という謝罪から始まり、「心が動かされない人はいない、と固く信じています」と訴えている。本はビニールで包装されており、価格が810円で「小説ではない」ことしか分からない。
長江さんは「私は読んで感動したけれど、タイトルを見て手に取らない人がいるかもしれないと考えた。表紙を隠すのは、いつか使いたいと思って取っておいたアイデアです」と語る。案の定、客からは「こうしてくれなかったら出会わなかった」と感謝する声が寄せられたという。フェザン店では、1カ月余りで約980冊が売れる大ヒットとなった。
「文庫X」の“正体”は同一の本。書店間のネットワークで、これまでに12都道府県に「文庫X」の企画が拡大、版元には7月下旬以降、7千部を超える注文があり、さらに増え続けているという。出版不況が続く中、書店員のメッセージだけをよりどころに本が次々と売れていく動きは異例だ。
日本経済新聞2016.9.7
★コメント
選択の力低下、興味関心の低下の中の選択・消費のトリガーとしておもしろい。オピニオンの人からの発信を、ブラックボックス化して興味関心を高める、おもしろいマーケティングですね。
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■『日本でも「再生可能エネルギー100%」』
★気づき
日本でも「再生可能エネルギー100%」をうたう電気が買えるようになりそうだ。長野県の新電力が8月、首都圏の小売店に供給を始め、年明けに首都圏と中部地方の家庭にも販売を始める。再生エネの電気を使っていると「お墨付き」を与える「グリーン電力証書」という制度を活用することで、国内初とみられるサービスが実現した。
東京・池袋に先月23日オープンした「ラッシュ池袋駅前店」。天然素材にこだわったせっけんや入浴剤を売る店だ。この店の照明や空調などはすべて再生エネの電気でまかなっている。
運営するラッシュジャパン(神奈川県愛川町)は、経営理念のひとつに環境保護を掲げる。この店を皮切りに、全国130店舗で再生エネの電気に順次、切り替えたい考えだ。「電気の『原材料』にもこだわる。店の取り組みを通じて、再生エネの普及を後押ししたい」と担当者は話す。
朝日新聞2016.09.27
★コメント
市民消費社会のグリーン消費へのアプローチである。小さな出発であるが、支持をする人たちに広がりが得られ、大きな動きになるかもしれない。周縁から大きな変化が起きてくるのでは。
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■『人工知能の光と影(下)「人間の脳を超越」あり得ず』
★気づき
機械知より生命知に強み
人間は論理機械でなく多細胞生物だ。だから人間の思考は論理矛盾を含んでいることも多いし、身体的な直観に支えられている。AIという機械知は過去のデータに基づくので、安定状態での作業効率は良くても、全く新しい環境条件には対応できない。生物は激変する地球環境の中で生き抜いてきた。この柔軟性こそ生命知の本質ではないか。
よって大切なのは、自我を持つ汎用AIといった幻を追わず、実用的な専用AIの精錬にまい進することだ。応用分野は自動運転、農業、スマート工場など数多い。目ざすべきはAIではなく、「IA」つまり人知(インテリジェンス)の増幅器(アンプリファイアー)なのである。
西垣通 東京経済大学教授
日本経済新聞2016.09.07
★コメント
清水博さんの「生命を捉え直す」を一読してみると、おもしろい発想が生まれるのでは。生命をどう捉えるかによって、AIの考え方が違ってくるのでは。わたしも、AIのこれからはまだ見えていません。学んで行きたいと思っています。
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◆土日朝一番の映画 映画は映画館で観るとワクワク・ドキドキです。
『シン・ゴジラ』総監督;庵野秀明 監督;樋口真嗣 キャスト;長谷川博巳、竹野内豊
今話題の映画ですが、役人への賛辞と自衛隊の映画であって、映像もチャチっぽく、日本人にしか共感が得られないのでは?シン・ゴジラの出現を予想していた、牧教授にテーマを絞るとおもしろかったのでは。エンドロールのゴジラの透明化の中に蠢いていたものは何か?オススメではないが、話題映画なのでまだ観ていない方は観てみたらいかがですか。
『ハドソン川の奇跡』監督;クリント・イーストウッド キャスト;トム・ハンクス、アーロン・エッカート
ハドソン川に着水させた英雄と国家運輸安全委員会との対決、迫力があった。タイミングがキーワードになって、シュミレーションと人間の違いの論戦がおもしろかった。オススメです。
『オーバー・フェンス』原作;佐藤泰志 監督;山下淳弘 キャスト;オダギリジョー、蒼井優、松田翔太
わたしの大好きな、「海炭市叙景」「そこのみにて光輝く」の原作者・佐藤泰志の原作、苦悩を抱える男女のともに生きる姿が、函館の風景とマッチして、心を揺する。蒼井優の危ういホステスが抜群、悲しさの中での鳥のモノマネが踊っていた。わたしの、絶対オススメです。
日本オリエンテーション主宰 まつもとかつひで
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■□■「MATSUMOTO・MINERAL」
■■■ 第405号(2016/10/25) (c) 1999Japan Orientation
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