1970年から、新商品開発・マーケティングの人材育成のセミナー・コンサルティングと新商品開発戦略、新商品開発システム革新の仕事を続けています。

日本オリエンテーションは、マーケティングをR&Dする事務所です。
考えるヒント:メルマガ「マツモト・新商品開発ミネラル」

【マツモト・新商品開発ミネラル】第443号

配信日:2018年10月2日

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・■■■        商品開発・マーケティングの
・■□■   MATSUMOTO・新商品開発MINERAL
・■■■     発行者:日本オリエンテーション 松本勝英
        毎月第1・第3火曜日発行(創刊 1999/10/01)
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    ■□ 第443号 Table of Contents 松本プラス忽那□■
      ◇マツモト・商品開発ミネラル
      『商品開発システムの革新の部品』
      『蚊よけ塗料でアフリカ攻略 関西ペイント』
      『アジアで記録的猛暑 省エネエアコンの普及を』
      『体験したい外国人が出資 訪日客向け新サービスを実現』
      『中国新興EV 生存競争厳しく』
      『「消費者は、自分だけではない」:消費者視点で「わくわく商品開発のススメ」忽那公範キーワード』

<伝言>
第148回「商品開発プログラムのたて方36時間」セミナー
2018年12月6日スタート
“なぜ30年以上、企業から支えられているのか”
☆36時間セミナーで、36の成功の秘訣が深く学べるセミナー
☆40年のコンサルティングの成功、そして失敗のエキスです
☆30年企業のリピーターによって支えられ、続けて来られたセミナーです
☆商品開発の厳しさ、楽しさが実感でき、成長を促すセミナーです

2018年10月2日(火)
1999年10月01日に創刊して、19年になりました。
中島みゆきの歌を聴きながら書いています。
よくやってきたなと、書いていて思います。
20年までは頑張るか、へこたれてそこまでいかないか、
まあ1回、1回積み重ねていくことが大事かな。
私にとっても、書いて、5千人近くの人に発信することは
好奇心の素で、元気の素です。
続けてこれたのは、読んでくれている人がいたこと 感謝です。

■『商品開発システムの革新の部品』
★気づき
 商品開発のシステム化はなかなか難しいところがあります。
革新しても革新しても、システムの陳腐化が起きることです。
人の能力をより引き出すシステムにすることも大変な課題です。
いくつかの商品開発システムの革新の部品として
「商品コンセプトバンク」
時代・市場・生活価値観の変化を基に、商品コンセプト仮説をたくさん作っておき、タイミング、競争状況に対応してコンセプトバンクから取り出しブラッシュアップして、先手を打つ仕組み。
「ワンペーパー企画書」
商品コンセプトの企画書をA4一枚にまとめるフォーマットの開発。
コンセプト企画書作るのに多大な時間がかかっています。もっと簡潔に、ポイントを表現した「ワンペーパー企画書」は、本来の企画に時間をかけるために有効です。
「商品開発プロデューサー制度」
商品開発組織の間で役割責任が不明確になっています。スピーディーな決定が行われないことが、開発スピードを遅くしています。映画のプロデューサー方式のように全てのことに、全責任を持つプロデューサーの人材開発が急務になっています。
「商品開発スパーキング13」より

★コメント
 商品の短命化、価格の低下に対してスピードある商品開発の仕組みが重要になってきています。全体を変えることは大変難しいので、全体を構想しながら部分を変えていくことも必要では。

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■『蚊よけ塗料でアフリカ攻略 関西ペイント』
★気づき
 関西ペイントは2018年度後半からアフリカで蚊よけ塗料の販売を始める。住宅の内壁に塗る製品で、塗料の中に含まれた殺虫成分が蚊の動きを封じる。蚊よけ塗料がアフリカ市場開拓の切り札になるかもしれない。
ザンビアで蚊よけ塗料の普及活動を進めている
 まず関西ペイントはザンビアやウガンダなどを中心に蚊よけ塗料を販売する。非政府組織(NGO)や慈善団体などと組みながら蚊よけ塗料の普及活動を進める。
 蚊よけ塗料には蚊取り線香などに使われるピレスロイドという殺虫成分が含まれている。ピレスロイドを少しずつ放出するように塗膜を工夫。1度塗れば2年間は効果が持続するという。
 蚊が媒介する感染症のまん延は世界規模での脅威だ。世界保健機関(WHO)によると、年間40万人以上がマラリアで命を落とし、その9割がアフリカ在住者。アフリカでは蚊対策のニーズが高いと判断した。  関西ペイントはM&A(合併・買収)などを通じてアフリカ事業を強化してきた。同事業の前期売上高は350億円と全事業の10%弱を占める。
 新興市場を開拓するうえで重要なのは、ブランド力と販路の確保。現地でニーズの高い蚊よけ塗料は、関西ペイントのブランド力を高めるとともに、職人への塗装指導を通じて販路の開拓にもつながる。
 1人あたり国内総生産(GDP)が1000ドルに達すると建築用塗料の需要が急増するとされる。ザンビアとウガンダの1人当たりGDPはまさに1000ドル前後だ。
日本経済新聞 21018.05.30

★コメント
 アフリカ市場の開拓が始まっている。海外市場進出にあたっては、日本の技術を生かして、ローカルのニーズを取り込んだ商品開発をし、ブランド力を確立することが1歩である。時間がかかるので10年20年の長期で取り込まないといけない。

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■『アジアで記録的猛暑 省エネエアコンの普及を』
★気づき
 記録的な猛暑に襲われたアジアでは、各国で熱中症などによって数十人が死亡、数千人が病院に搬送される事態が発生している。冷房・冷蔵設備がないためにワクチンや食品が腐敗し、数百万人が生死の危険にさらされている。冷蔵保管施設や輸送手段がないことで農業でも損失が出ている。アジアではインド、中国、バングラデシュ、パキスタン、インドネシアの危険度が高い。特に国民の少なくとも10%が苦しむインドが深刻だ。
低コストの冷蔵技術や環境に優しいエアコンの開発など多面的対応が必要だ。
寄稿 アラン・ミラー氏
日本経済新聞 2018.09.13

★コメント
 強い顕在ニーズでは、ローカルニーズを把握して、圧倒的低コストで供給、LIXILの一体型シャワートイレ「SATO」のような商品、ヤクルトの常温商品の開発のようなアプローチなどのミックスも考えられないか。

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■『体験したい外国人が出資 訪日客向け新サービスを実現』
★気づき
 ネットで小口の資金を募るが、共感した支援者が資金を提供する際にはクレジットカードを使う。円との交換レートをもとに現地通貨で支払い、事業者には日本円が払い込まれる仕組み。資金の提供者には金額に応じて特典が付く。海外から資金の提供が可能なクラウドファンディングは日本では珍しいという。
 2月に運営を始め、現時点で「けん玉ワールドカップを盛り上げ、オリンピック競技に」「外国人が渋谷で忍者姿で観光できるサービス」など3つの事業が出資を募っている。4月中には新たな事業について募集を始める予定だ。
日経MJ 20118.04.20

★コメント
 海外からのクラウドファンデングと日本での体験旅行の異質な組み合わせが面白い。異質な組み合わせが、新しい魅力を生みだす。

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■『中国新興EV 生存競争厳しく』
★気づき
 中国の電気自動車で最も評価が高い、威馬汽車のCEO沈氏は「参考にしたのは(大株主であるスマートフォン大手の)小米だった」と明かす。小米は交流サイト(SNS)を通じて集めた消費者の声を製品に生かしたことで知られる。沈氏もまず約3千人のコアな「ファン」をつくり、欲しい機能と要らない機能、好きな外観デザインなどの情報を徹底的に吸い上げて製品づくりを進めた。
 技術者優位で進められる従来の車づくりではとかく製品は割高になる。自らも技術者だった沈氏は、そこを意識して改めた。さらに既存の自動車メーカーの販売店網も無駄が多く、高コスト体質だと見た。「我々は全ての顧客とオンラインで購入手続きをする効率的な販売体制だ。コストを意識した」と強調した。
威馬CEOインタビュー
日本経済新聞 2018.09.13

★コメント
 リーン・スタート・アップの商品開発手法の典型です。コアな「ファン」に仮説を提案し、評価を聞いて、学習し、再仮説を提案し、評価を受ける「サイクル」を「短期間」で「スパイラル」に回していく、また既存のインフラに依らない新しいインフラの構築の組み合わせ。中国、およびこれからの新興成長国の開発スタイルになるのでは。

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■『「消費者は、自分だけではない」:消費者視点で「わくわく商品開発のススメ」忽那公範キーワード』
 商品開発をする上で、消費者視点で仕事をしましょうと言われて、担当者が自分で買いたくなる商品を作りなさいと言われることがあります。これは、一部正しいと思いますが、それは、マス商品の時代の話で、現代は、シャープなターゲットにささる商品が、じわじわと商品のよさを認識する人が増えていく時代
。 SNSで紹介されて、いいねと気づく人が増えていきます。その時の広がり方は、自分の考え方と似た人の話を聞くのであって、だれでもいいのではありません。
今の商品開発は、マスではなく、シャープなターゲットを明確にすることでヒットを生みますから、商品開発する段階で、アイデア発想の時点では、消費者は自分の家族、友達、知り合いで、自分ではないことが多いです。ですから、その人たちに、商品アイデアのエッセンスとなる考え方を言って反応を見ることで、反応の高い人がターゲットになります。その反応した人が、どのようなプロフィールかを分析することで、次の調査のリクルート条件になってきます。消費者視点を間違えると売れない商品をいっぱい作ってしまいます。
忽那 公範(くつな きみのり)

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◆土日朝一番の映画 映画は映画館で観るとワクワク・ドキドキです。
『きみの鳥はうたえる』
 私の好きな作家佐藤泰志原作、函館を舞台に3人の若者の日常。3人の瞬間、瞬間の幸福そうな生活が重なり合う、しかし終わりが見えない、佐藤泰志の心情が浮き出てくる。佐藤泰志という作家に興味がない人にとっては、なかなかついていけないかも。一度見て欲しいですね。

『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』
 タイでで大ヒットを記録した映画、タイ映画に興味を持って観た。天才少女の世界規模のテストのカンニングに挑戦。カンニングのテクニックがサスペンスの役割をし、少女の心情がヒューマンでタテ糸、ヨコ糸の組み合わせが魅力。

日本オリエンテーション主宰 まつもとかつひで

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■□■「MATSUMOTO・MINERAL」
■■■ 第443号(2018/10/2) (c) 1999Japan Orientation
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